膵癌は悪性度が高い上に分子的背景は不明な点が多く、その対策は急務である。我々は約90症例の膵癌患者の手術検体組織に加えて、手術前後に末梢血検体を採取し、日本発の技術である包括的高感度転写産物プロファイリング(HiCEP)法を活用し、かつ次世代シークエンシング(NGS)を組み合わせた新規の高感度解析法により、膵癌に特異的な分子を探索した。癌組織において特異的に発現量が増加している新規遺伝子を同定し、臨床データとの比較を行うと共に、他症例検体に対しても再現することができた。また膵癌2症例に対し空間トランスクリプトーム解析を実施し、NGS-HiCEP法で得られたデータベースと照合解析を行っている。
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