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2021 年度 実施状況報告書

4-methylumbelliferoneと抗癌剤の併用による新規癌治療

研究課題

研究課題/領域番号 20K17671
研究機関弘前大学

研究代表者

吉田 枝里  弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20648886)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード4-メチルウンベリフェロン / 胃癌 / 間質制御
研究実績の概要

MUの正常組織に対する反応を検討した。皮膚、水晶体、肝、腎において、HA免疫染色を用いて切片を染色し、顕微鏡で観察、評価した。肝臓においてHA含有量がMU投与によって減少が認められた。他の組織において、有意差をもってHA減少は認められなかった。肝機能異常はマウスの採血上認めなかった。MU投与された皮膚切片を電子顕微鏡で観察した。既存検討した腫瘍と同様に間質の狭小化が認められた。細胞膜、細胞変形は認めなかった。MU投与のみにおいてアポトーシス様の変化、壊死傾向の変化は認められなかった。
間質による腫瘍圧の評価、MUを用いた間質の減少が圧ストレス、痛み、冷感刺激などの細胞にもたらす効果を検討した。培養細胞をMU処理し、抗TRPV1抗体、抗TRPV4抗体、抗TRPA1抗体、抗TRPM8抗体、抗PIEZO1,2抗体を用いて細胞を免疫染色した。MU処理群で抗TRPV1、抗PIEZO1においてMU処理群が減弱している傾向があった。胃癌細胞KATO-Ⅲに対して使用薬剤の効果を検討するためにMTTasseyを用いて各抗癌剤、MU投与下での生細胞数を検討した。MU0.3mM,MU0.5mM、シスプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、5-FU、ゲムシタビンを用いた。KATO-Ⅲをインキュベート後、細胞と各濃度の抗癌剤をマイクロプレートに播種し、24時間インキュベートした。その後培養液をマイクロプレート用比色計にて540nmで吸光度を測定した。腫瘍抑制率=(1-抗癌剤接触群の吸光度/対照群の吸光度)×100(%)とし、有効、無効判定は抗癌剤でカットオフ値を定めた。MUは50%をカットオフ値とした。MU0.5mMにおいて抗癌剤と同等の有効値となった。シスプラチン、ゲムシタビン、5-FU においてMUとの併用で腫瘍抑制率の上昇が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

病院業務のひっ迫、病院間の移動の制限により動物実験の開始が遅れ、さらに長期間の動物実験の継続ができない状態であったため。
また、病院間の移動の制限により培養実験も遅れているため。

今後の研究の推進方策

培養細胞においてリンパ球浸潤と抗体治療の増進効果の検討を進めていく。
動物実験においてはMU長期内服による副作用の有無について検討する。
また、抗癌剤の作用増強についての研究に対して、抗癌剤の血中濃度の推移をモニタリングし検討していく。

次年度使用額が生じた理由

病院間の移動の制限、病院業務のひっ迫による実験の遅れと、動物実験開始の遅れのため使用額が今年度少なかった。
次年度に実験内容を繰り越し、引き続き予定の実験を進めていく計画である。

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公開日: 2022-12-28  

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