研究課題/領域番号 |
20K17671
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
吉田 枝里 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20648886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 4-methylumbelliferone / gastric cancer / PD-L1 |
研究実績の概要 |
胃癌細胞KATO-Ⅲ、OCUM-1を培養し、遠心のうえ細胞ペレットを収集。ライシスバッファー処理後の上清を検体とした。ウエスタンブロットにてPD-L1の発現を検出した。また、細胞をホルムアルデヒド固定ののち、PBS処理した細胞ペレットを使用しフローサイトメトリーを行った。他、胃癌細胞を培養し、ヒアルロン酸の定量、細胞外マトリックスの可視化を行った。MU処理後の細胞は、ヒアルロン酸結合タンパクを用いた免疫染色でヒアルロン酸を可視化した。ヒアルロン酸結合タンパクを用いたELISA法で細胞層ヒアルロン酸量定量を行った。MUの細胞増殖抑制効果は血球計算板を用いて培養細胞数を計測することで検討した。 胃癌細胞は両株にてPD-L1の発現を認めた。MU処理により胃癌細胞はHA量の減少、細胞外マトリックスの可視領域の減少が認められた。MU処理した細胞でのPD-L1発現の減少を認めた。血漿からゾレドロネートおよびインターロイキン-2で刺激されたγδT細胞に富む末梢血単核細胞(PBMC)を抽出し、細胞増殖をMU存在下で検討した。MU存在下ではPBMCの細胞毒性が増強した。T 細胞機能は、フローサイトメトリーと乳酸脱水素酵素アッセイによって分析した。MU存在下で、T細胞機能の増強を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
診療制限、実験設備制限により動物実験が今年度不可能であった。 また、96well等の実験物品の入荷遅延等材料不足に陥った。
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今後の研究の推進方策 |
MU存在下で胃癌細胞がこれまでの実験同様HA量の減少、免疫細胞の細胞障害性の増強を認めた。また、PD-L1発現の低下を認めたが、これは線維芽細胞抑制にともなう癌細胞周囲微小環境の変化による結果と考えられ、癌細胞周囲微小環境に対する検討を加えることでメカニズムの解明をはかる。また、MUと抗PD抗体の併用治療についてin vitroで実験を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の遅れ、材料の調達不能による予定の支出がなかったため、次年度使用額が発生した。今後抗PD抗体の購入、マウスの購入などで次年度以降使用予定である。
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