研究課題/領域番号 |
20K17671
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
吉田 枝里 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20648886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 4-methylumbelliferone / PD-L1 |
研究実績の概要 |
OCUM-1/ CMV-Luc胃癌細胞株に対して使用薬剤の効果を検討するためにMTTasseyを用いてPDL-1、MU投与下での生細胞数を検討した。MU0.3mM,MU0.5mM、5-FU、PDL-1抗体試薬を用いた。腫瘍抑制率=(1-抗癌剤接触群の吸光度/対照群の吸光度)×100(%)とし、有効、無効判定は抗癌剤でカットオフ値を定めた。MUは50%をカットオフ値とした。MU0.5mMにおいて抗癌剤と同等の有効値となった。5-FU 、PDL-1抗体投与群においてMUとの併用で腫瘍抑制率の上昇が認められた。OCUM-1/ CMV-Luc胃癌細胞株を移植したNOGマウスで胃癌の担癌モデルを作成した。OCUM-1/ CMV-Lucを4×106個/0.2mlに調整し、マウスの左背部皮下に注射し、腫瘍形成を確認した。その後2群に分け、1群ではMUを経口投与した。14dayにてマウスの皮下腫瘍を摘出し、免疫染色を施行した。両細胞株にてCD44発現、PDL-1の発現を認めた。また、HAの免疫染色ではOCUM-1、CMV-LucにおいてHA染色の高発現を認めた。MU処理群においてはCD44の発現は変化なく、PD-L1の減少を認めた。MU処理群においてアポトーシスの所見を認めた。電子顕微鏡において、MU処理群でアポトーシス、間質の粗造化を認めた。 また、腫瘍切片においてヒアルロン酸の定量を施行した。MU処理群において含有HA量の減少を認めた。上記処理マウス群において、さらに免疫細胞の移植、PD-L1抗体の投与を試みた。OCUM-1/ CMV-Lucを4×106個/0.2mlに調整し、マウスの左背部皮下に注射し、腫瘍形成を確認した。その後2群に分け、1群ではMUを経口投与継続した。ブスルファン30㎎/kgを投与し、その後hCD34+ HSCを静脈より投与し、day28でリンパ球の出現を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
胃癌細胞担癌NOGマウスのMU処理群の確立は可能であった。その後、担癌+造血幹細胞移植でTcell分化を確認した幹細胞移植マウスモデルの確立中である。
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今後の研究の推進方策 |
担癌NOGマウスに造血幹細胞を移植、Tcellリンパ球分化を確認する。その後PD-L1抗体を投与し、腫瘍増殖抑制効果を検討する。その後腫瘍を摘出し、腫瘍内Tcell浸潤の増加を確認する。サクリファイス字に採血施行し、各MUによる血液障害、皮膚障害などの副作用の発現の有無を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスモデルの確立に時間を要しており、NOGマウスの購入費用に今後充てる予定である。
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