消化器癌患者よりインフォームド・コンセントのもと、手術加療前後および化学療法前後に末梢血6mlを採取し血球分離溶液を用いて単核球層を分離採取した。フローサイトメトリーを用いてEpCAM、CD44を用いた2重染色により分離された細胞を末梢血循環癌細胞(Circulating Tumor Cells : CTC)中の循環癌幹細胞 (Circulating Tumor Stem Cells : CTSC)として検出しそのカウント数を切除症例において測定、解析を進めた。予後を含めた臨床病理学的因子との関係を比較検討する事を目的としており、治療効果との相関を認めるか否かが今後の検討課題である。これまで胃癌症例においては術前26症例につき末梢血液6mlを採取し解析したところ検出個数と切除標本における壁深達度・静脈侵襲に有意な相関を認め、手術加療および抗癌剤導入による治療前後比較にて優位に減少している事実を確認している為、対象を消化器癌に広げ、手術介入を行った症例について前後での解析を行っている。また全身化学療法を行う治療方針である消化器癌患者末梢血採取も施行した。採取した末梢血よりCTSCを生細胞のまま単離し直接細胞内分子の検索を行うことで環境変化を受けずより生体内に近い状態で機能解析を行い、時系列にて繰り返し解析し比較することで臨床的に抗がん剤治療抵抗性が出現した際の分子機能の変化を捉えることを目指している。抗癌剤によるCTSCの変化を実臨床における抗腫瘍効果と比較評価した。
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