研究課題/領域番号 |
20K17686
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
裏川 直樹 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (20647763)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腫瘍関連マクロファージ / 食道癌 / 化学療法 |
研究実績の概要 |
化学療法下における食道扁平上皮癌微小環境下の腫瘍関連マクロファージの機能解析を研究継続している。昨年度は、ヒトからMACSを用いて採取した単球にM-CSFを作用させてマクロファージモデルを作成し、さらにヒト食道扁平上皮癌細胞株の培養上清液で刺激することで、M2様性質を獲得したマクロファージを作成し、このマクロファージモデルの機能解析を行い、癌進展に促進性に作用することを確認した。本年度はこのM2様性質を獲得したマクロファージモデルを、臨床で食道扁平上皮癌に対して多く用いられる5FU+CDDP療法を想定して、まずはマクロファージ単独培養下に5-FU単独、CDDP単独での暴露を行い、マクロファージの機能解析、ならびに機能変化の解析を行った。現在は、両抗がん剤を併用した状況下での機能解析もあわせ継続中である。さらに、食道扁平上皮癌細胞との共培養下でも同様の実験を計画している。また、マクロファージも含めた食道扁平上皮癌微小環境を構成する細胞を個々改めて評価し、化学療法の影響による各々の相互作用を明らかにするため、まずは臨床検体での化学療法施行後の症例を対象に免疫染色も行い、食道扁平上皮癌微小環境の中核を担う食道扁平上皮癌幹細胞がどのように化学療法の影響を受けるかの評価を行った。今後は、マクロファージが共存する環境下での実際の臨床検体での評価も加えて行い、解析を継続していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
化学療法の投与量調整など、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、化学療法を施行した食道癌手術検体を用いてのマクロファージの発現解析なども検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度もCOVID-19の影響により、研究開始と物品の納入に遅れが生じた。今後も化学療法を施行した食道扁平上皮癌手術検体を用いて、マクロファージの発現・機能解析なども検討したいと考えている。
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