研究課題
若手研究
膵がんは5年相対生存率が約10%と他のがんと比較しても突出して予後不良であり、新規治療ターゲットの獲得は喫緊の課題である。一方でテロメラーゼは正常細胞ではほとんど機能していないが、多くのがん腫で共通に活性化されており、分子標的として注目されている。本研究では膵がん細胞株にヒト正常3番染色体を導入する実験系を通じて、膵がんにおいてテロメラーゼ抑制遺伝子が3番染色体短腕の特定の領域(3p21.3領域)に存在することを明らかにした。
腫瘍生物学
本研究は、膵がんにおいて3番染色体短腕の特定の領域にテロメラーゼ抑制遺伝子(群)が存在することを明らかにした。またその機序は、テロメラーゼ活性中心のTERTのプロモーター活性を抑制することによる可能性が示唆された。この結果により、膵がんの新たな治療ターゲット開発の糸口となることや、膵がん発生メカニズムの理解が進むことが期待される。