本研究では食道癌における癌間質の役割と癌関連線維芽細胞CAFに由来するVCAN、POSTN、LUMの臨床的意義に迫り、微小環境バイオマーカーとしての価値を追求し個別化医療への道を開くことが本研究の目的である。食道扁平上皮癌 (ESCC) 手術後症例においてCAF関連分子、VCAN、POSTN、および LUM の発現を調査し、食道切除術を受けた106人のESCC患者を対象とした。癌間質でのVCAN、POSTN、または LUM の高発現症例では、無再発生存期間および全生存期間が有意に低下していた。またVCAN または LUM の高い発現は、患者における無増悪生存期間の独立した予後因子であった。
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