研究課題/領域番号 |
20K17716
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐村 高明 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40815510)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 細胞外マトリックス / 再生医療 / 心不全 / 虚血性心筋梗塞 / ラミニン |
研究実績の概要 |
ヒトiPS細胞由来心筋組織移植による治療効果を向上させる為には、移植心筋組織の生着改善が必要である。本研究では心筋細胞に加え細胞外マトリックスの重要な構成要素の1つであるラミニンを付加した、ラミニン付加はヒトiPS細胞由来心筋細胞への影響評価では、運動機能は収縮、拡張速度が増強、代謝機能はミトコンドリアにおける最大呼吸速度が増強、低酸素条件下における生存細胞数増加、細胞傷害性低減、また低酸素条件下における抗アポトーシス関連遺伝子であるBCL2、BCL2L1の有意な発現増強を認めた。次にラミニンの心筋組織移植への影響評価では、フィブリンを用いてヒトiPS由来心筋細胞(hiPS-CM)ラミニンを付加することで作成した3次元心筋組織を開発した。ラミニンを付加した心筋組織移植ではホストの心臓と同期した心筋組織の生着を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィブリンを用いた3次元心筋組織の作成手法は確立できており順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトiPS細胞由来心筋組織では主に心筋細胞で組織を作成していること、組織内の血管新生が十分でないことが課題である。心筋細胞に加えて血管内皮細胞を混合する際の至適細胞の配分、またそれぞれの細胞に特異的に作用する細胞外マトリックスである各ラミニンの配分を確認していくこととなる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究では心筋細胞、血管内皮細胞を付加し複数の細胞外マトリックスを付加した高機能心筋組織の作成を目指している。細胞比率の最適化、ラミニン配分の最適化などを進めながら、in vivoでの生着、治療効果の検討を進める必要がある。それらを解決するために次年度使用額を用いて、上記研究を進めていく。
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