AB5000の構造および駆動機の特殊性を明らかにした後にTest circuitを使用しACD加牛新鮮血を用いて 特殊性評価実験でAB5000及びニプロVADと乖離が大きかった条件下で実際にAB5000では溶血が生じていることを確認できた。 さらにこれらの条件で粒子画像流速測定法を使用して弁付近の粒子の速度、剪断速度を計測 したが溶血の原因として剪断応力が溶血を起こすほどの値ではなかっ たことまでを確認することができた。 溶血の原因として現在、剪断応力、その暴露された 時間、及び溶液の粘度とされているが今回の溶血の原因として剪断応力が極めて低い値であり少なくとも単独で溶血を引き起こす原因とはなり得なかった。それ故にAB5000で起こる溶血の原因を探るため血液にかかる陰圧に着目した。実際に陰圧の大きさと陰圧がかかる時間に関して溶血に関与していることまでは確認できた。これは今まで報告されてない事実でありHeart and Vesselsに「Investigating the cause of hemolysis in patients supported by a pulsatile ventricular assist device」の標題でacceptされた。 今後はこの事実に基づいて実際に臨床で使用されているポンプ型の補助人工措置で溶血との関連性を実臨床内で確認し、さらに溶血を防 ぐための具体策を出せる様に現在計画実験を進めているところである。
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