急性下肢動脈閉塞における虚血再灌流障害(Ischemia-Reperfusion injury: IRI)を合併することがある。このIRIの病態形成には、再灌流に伴う活性酸素発生・酸化ストレスおよび白血球活性化と組織浸潤が中心的役割をしている。今回我々はセリンプロテアーゼ阻害剤の一つであるナファモスタットメシル酸の、下肢虚血再灌流後の臓器保護作用について検証した。 マウス下肢虚血再灌流モデルを作製しの虚血再灌流障害度を、血液生化学検査により評価した。その結果、ナファモスタットメシル酸投与で肝障害は有意に 抑制されたが、腎障害・筋障害に対しては有意な抑制効果を認めなかった。
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