研究課題
若手研究
終末糖化産物(AGEs)は糖化蛋白で、加齢や糖尿病によって促進的に形成され、動脈硬化性疾患の発症と進展に関わることが明らかとなりつつある。進行した動脈硬化性病変の治療として血管形成術が行われるが、糖尿病患者では、術後に再び狭窄していくリスクが高いという問題がある。本研究では、肥満糖尿病モデルマウスに、AGEsを中和するDNAアプタマーもしくはAGEs受容体のRAGEを阻害するDNAアプタマーを投与する事で、大腿動脈障害後の再狭窄が抑制されることを明らかにした。
糖尿病
日本では、成人の6人に1人が糖尿病あるいはその予備軍であると推察されており、人口の高齢化によってこの割合はさらに増加していくと予想される。このため、糖尿病の合併症への対策は重要な問題である。DNAアプタマーは、抗体医薬品に比べて安価で、大量に調整もできることから、次世代のバイオ医薬品として注目を集めている。本研究から、糖尿病患者における血管形成術後の再狭窄に対しするAGEs中和DNAアプタマーとRAGE阻害DNAアプタマーの有用性が示され、新たな治療法の開発につながると予想される。