最も頻度の高い不整脈である心房細動の治療にメイズ手術があるが、その成功率は心電図の形態(f波)により変化することが知られている。しかしそのエビデンスは乏しくf波が何を反映しているのかについて一定の見解はない。本研究はf波と心房電位、線維化率、遺伝子変化の関連性を明らかにするものである。研究結果として、f波高の減弱は、心房の線維化増加のみならず心房電位の低下、心房細動の発生に関連する遺伝子変化と相関性を持つことが明らかとなった。f波は通常の心電図にて非侵襲で測定できる簡便な指標であるため、その測定により心房の状態が推測できることは、心房細動の治療を正確に行うために重要な意味を持つと考えられる。
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