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2020 年度 実施状況報告書

高ヒスチジン糖タンパク質に着目した肺線維化疾患に対する新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K17747
研究機関岡山大学

研究代表者

塩谷 俊雄  岡山大学, 大学病院, 助教 (90851246)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード間質性肺炎 / 肺線維症 / ブレオマイシン / 高ヒスチジン糖タンパク質 / 肺障害
研究実績の概要

ブレオマイシン(Bleomycin, BLM)の気管内投与によるマウス肺線維症モデルを作成するにあたり、最適な肺障害の程度を検討するため、当初予定していたBLM投与量(1.5 mg/kg)(n=10)の他にBLM 1.0 mg/kg(n=13)投与群およびBLM 2.0 mg/kg投与群(n=8)を作成し、体重変化の推移や生存率に関する評価、および犠牲死後の組織学適評価を行った。その結果、体重変化はBLM 1.0 mg/kg投与群では認められず、BLM 1.5 mg/kg以上投与した群では投与量に比例して体重減少が生じた。生存率はBLM 1.0 mg/kg投与群は77%、BLM 1.5mg/kg投与群は30%、BLM 2.0mg/kg投与群は13%であった。犠牲死後に採取した肺検体をHE染色にて評価したが、BLM 1.0 mg/kg投与群では肺障害が認められなかった。一方、BLM 2.0 mg/kg投与群では肺障害の程度が強く、正常肺構造がほとんど認められなかった。以上より、マウス肺線維症モデルとしては、当初予定していたブレオマイシン 1.5mg/kg投与群が本研究において最適と判断した。マウス血液中の高ヒスチジン糖タンパク質(Histidine-rich glycoprotein, HRG)濃度測定に関しては市販のキットが存在しないため、ウエスタンブロッティングによる比較定量を実施した。コントロール群(n=2)と比較した結果、肺線維症無治療群(n=2)においてHRG濃度が低下している傾向があることを確認した。
また、当研究室で保有している肺線維症患者血液検体(n=8)を用いて、HRG濃度の測定をELISAキットを使用して行った。健常人ボランティア(n=6)のHRG濃度と比較したところ肺線維症患者におけるHRG濃度が有意に低下していることを確認した(P<0.001)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大により動物実験施設などの利用制限が行われたため、マウス肺線維症モデル作成に関する手技およびモデルの確立が遅れることとなった。そのため、マウス肺線維症モデルに投与する予定であったHRG製剤の作成および投与まで行えていない状況である。

今後の研究の推進方策

マウス肺線維症モデルにおけるHRG濃度の推移を調べ、HRG濃度の適切な投与タイミングおよび投与量を検討する必要がある。その後は、本研究当初の計画通り投与経路などに関しての検討を追加していく方針である。また、長期成績での比較が困難である場合、BLM投与後の短期成績(肺障害急性期)における炎症性サイトカインや肺保護の観点からの検討を考慮する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に予定していたマウス肺線維症モデルへのHRG製剤投与の実施および検討ができなかったため残額が生じたが、次年度に実施をするため、当該費用に支出する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Long-term Follow-up of Living-Donor Kidney Transplantation after Cadaveric Lung Transplantation2021

    • 著者名/発表者名
      Shiotani T, Sugimoto S, Araki K, Tomioka Y, Miyoshi K, Otani S, Yamane M, Toyooka S
    • 雑誌名

      Acta Med Okayama

      巻: 75 ページ: 87-89

    • DOI

      10.18926/AMO/61439

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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