研究課題/領域番号 |
20K17760
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
横手 芙美 帝京大学, 医学部, 非常勤助手 (80868919)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 気管軟骨 / b-FGF / 塩基性線維芽細胞成長因子 / 軟骨再生 |
研究実績の概要 |
これまでに、ウサギの気管軟骨の新生軟骨の発生に対して、縫合のみのコントロール群、縫合+直接気管軟骨にb-FGF注入群、縫合+ 担体(ゼラチン、セルロース、ポリグリコ- ル 酸メッシュ等)に b-FGF群浸透群として、縫合4週後に組織学的に比較検討し、縫合+直接気管軟骨にb-FGF注入群が最も軟骨の増生を認める知見を得た。 上記から実験系を確立し、縫合のみのコントロール群とb-FGF注入群それぞれの症例で免疫染色、力学的強度試験、タンパク定量及び総コラーゲン、グリコサミ ノグリカン、コラーゲンtype1、コラーゲンtype2の測定を行い、b-FGF注入群が組織学的・力学的に有意差を認めた。さらにb-FGF群では吻合直前に吻合部に1回だけb-FGFを投与することで、軟骨再生が起こることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縫合のみのコントロール群とb-FGF注入群それぞれの症例で免疫染色、力学的強度試験に加えてタンパク定量として総コラーゲン、グリコサミ ノグリカン、コラーゲンtype1、コラーゲンtype2の測定を行い、b-FGF注入群が組織学的・力学的に有意差を認めた。さらにb-FGF群では吻合直前に吻合部に1回だけb-FGFを投与することで、軟骨再生が起こることが判明し、上記の結果を報告した。(Yokote F, et al. A novel method of tracheal anastomosis healing using a single submucosal injection of basic fibroblast growth factor: initial report. Eur J Cardiothorac Surg. 24;61(4):917-924.2022)
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今後の研究の推進方策 |
上記結果を踏まえ、b-FGFの投与箇所を増減させると力学的強度に差が出るのかや、これまで4週後にsacrificeしていたが、より長期(8週や12週後)の病理組織や力学的強度なども調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた追加実験の日程が延期となり、実験動物の購入を見送ったため、翌年度に再度追加実験を行う予定である。
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