研究課題
本研究の目的として特発性肺線維症の進行、さらに原発性肺癌の癌化機構双方の共通機構の究明を目指し、画像解析および血液データ、そして長期予後との関連を解析することをテーマとした。そもそも、特発性肺線維症を有している原発性肺癌症例では、治療に伴う合併症が高頻度で起きてしまうことから、治療法選択には難渋し、いずれの治療が最も有効であるのか、実臨床で悩まされる場合が多い。そのような問題の究明にも我々の研究結果がつながる可能性があると考えた。実際に分子レベルでの結果をこの2年間で論文化し世にだすことはできなかったものの、その前研究となる、画像背景データを用いた研究をこの2年間では中心に行い、特発性肺線維症合併肺癌は非合併例と比較して腫瘍の増大速度が速いこと(Yamamichi T, et al. Cancer Treat Res Commun. 2021;29:100446)、また術前画像と比較して採取検体では結果的に肺癌の腫瘍径が増大している、という双方の結果をそれぞれ論文化、学会発表につなげることができた。またさらに特発性肺線維症の進行を含む、原発性肺癌術後の合併症発症例では肺癌自体の長期予後が悪化することについても論文化(Yamamichi T, et al. Surg Today. 2022 Jan 18)することができた。今後は、この2年間で研究結果として得た内容を背景とした、特発性肺線維症の進行を含む術後合併症を予防する目的での、分子レベルでの患者データ評価を加え、予後不良例と予後良好例それぞれの比較を行い、有意な関連因子の評価を目指して研究を継続していきたいと考えている。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Surgery Today
巻: Onlineのためなし ページ: Onlineのみ
10.1007/s00595-022-02452-4.
Cancer Treatment and Reserch Communication
巻: 29 ページ: 100446
10.1016/j.ctarc.2021.100446