研究課題
呼吸器外科領域において、肺癌の中枢浸潤やあるいは良性の疾患でも中枢気道の切除再建が必要になることがある。気管・気管支再建術の成否は、手術の根治性や重篤な術後合併症の有無につながるため、呼吸器外科医が習熟するべき重要な技術である。一方で、症例数が減っており臨床経験を積むのが難しくなっており、新たなラボトレーニングが望まれる。また、気管支形成術の多くは専門医であっても、分岐部形成などの複雑な症例が存在する。このような複雑症例では個別化シミュレーションが有用な可能性がある。本研究では、① トレーニングシステムの開発 ② 個別化シミュレーションプログラムの開発 とした。目的① シミュレーションに用いる3Dモデルの第一歩として、健常人ボランティアから模擬手術を行える精緻な軟性3Dモデルを臨床CTデータから作製することに成功した。まず健常人ボランティアの単純CTから、3Dのデザインを作成。まず硬性モデルを3Dプリントしシリコンの鋳型を作成し、鋳型からウレタンで軟性モデルを抽出した。同時に術野を再現するホルダーも開発した。実際の手術と同じように、腹側・右側・左側からアプローチできるようデザインされている。代表的な気管支形成・気管形成がモデルで再現できることを確認した。手術できる3D気道モデルの報告は初である。目的② 実際に気管支再建手術を要した患者のCTから病変(青色)も3Dモデル上に再現した。3例のモデルを作製して、実際に患者に行われた再建術式がモデル上でも再現できることを後方視研究として確認した。これらの成果に基づく特許出願を行った。
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JTCVS techniques
巻: In press ページ: In press
10.1016/j.xjtc.2022.01.024
10.1016/j.xjtc.2022.02.023