研究課題/領域番号 |
20K17763
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
濱田 顕 近畿大学, 大学病院, 助教 (80772954)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺癌 / ゲノム / 網羅的生体情報 / VUS / HER2 / HER4 / EGFR / 分子標的治療 |
研究実績の概要 |
前年度までに、LUX-Lung 8 試験(Soriaら、Lancet Oncol 2015)の二次解析(Gossら、JAMA Oncol 2018)で同定された、すべての臨床的意義が不明なHER2、HER4遺伝子変異について、IL-3依存性細胞株である、マウスpro-B細胞株(Ba/F3細胞)に導入し、人工的な腫瘍細胞モデルを作成し、それらを用いて腫瘍原性を検討した。その結果、HER2 E395K変異、G815R変異、R929W変異に腫瘍原性があることを確認し、これらの遺伝子変異に関しては、HER2阻害効果のあるTKIが有効であることを明らかにし、その結果をLung cancer 誌に報告した。本年度は、近年、米国FDAにおいて、EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がん患者を対象として特異的に設計された経口治療薬mobocertinib(TAK-788)が、同対象に対する分子標的薬として承認され、当院では過去に、EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんモデルに対する、tarloxotinibとpoziotinibの二次耐性機序について解明し、報告している(Nishino, et al.Thoracic Cancer 2021)ことより、先行研究で樹立済みのEGFRエクソン20挿入変異を伴うBa/F3細胞株(V769insASV、D770insSVD、H773insNPH、H773insH、A763insFQEA)を用いて、mobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序を、点突然変異を高率に誘発するENU(N-ethyl-N-nitorosourea)に曝露させることで探索した。その結果、C797S、T790M二次耐性変異の発現頻度が高く、バリアントにより発現頻度が異なることに加え、F856Vという新規耐性変異を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
LUX-Lung 8 試験の二次解析で同定された、すべての臨床的意義が不明なHER2、HER4遺伝子変異について、その腫瘍原性を検討し、IL-3非依存的に増殖した細胞については、予定していたすべてのTKIについて、その感受性の評価を終え、現在はEGFRエクソン20挿入変異に対するmobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序について探索している。
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今後の研究の推進方策 |
EGFRエクソン20挿入変異を伴うBa/F3細胞株(V769insASV、D770insSVD、H773insNPH、H773insH、A763insFQEA)を用いて、mobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序を、点突然変異を高率に誘発するENU(N-ethyl-N-nitorosourea)に曝露させることで探索した結果、C797S、T790M二次耐性変異の発現頻度が高いことに加え、F856Vという新規耐性変異を同定した。これらの二次耐性変異を親株のBa/F3細胞株に遺伝子導入し、その腫瘍原性を評価し、mobocertinib(TAK-788)に対する効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
LUX-Lung 8 試験の二次解析で同定された、すべての臨床的意義が不明なHER2、HER4遺伝子変異について、その腫瘍原性を検討し、IL-3非依存的に増殖した細胞については、予定していたすべてのTKIについて、その感受性の評価を終え、現在はEGFRエクソン20挿入変異に対するmobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序について探索している。EGFRエクソン20挿入変異を伴うBa/F3細胞株(V769insASV、D770insSVD、H773insNPH、H773insH、A763insFQEA)を用いて、mobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序を、点突然変異を高率に誘発するENU(N-ethyl-N-nitorosourea)に曝露させることで探索した結果、C797S、T790M二次耐性変異の発現頻度が高いことに加え、F856Vという新規耐性変異を同定した。これらの二次耐性変異を親株のBa/F3細胞株に遺伝子導入し、その腫瘍原性を評価し、薬剤に対する効果を検証するため、次年度使用額が生じた。
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