研究課題/領域番号 |
20K17781
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
法華 真衣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20803852)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 遊離ヘモグロビン / 人工心肺 / 急性腎障害 / ハプトグロビン |
研究実績の概要 |
今研究は、心臓大血管手術患者において、遊離ヘモグロビン値が高値となる前にハプトグロビン製剤の投与を行うことで術後急性腎障害の予防が可能であるか否かを明らかにする事を目的とした単施設無作為比較試験である。 先行研究において、心臓大血管手術中における遊離ヘモグロビンの推移に関しての検討を行っており、その結果、遊離ヘモグロビンは人工心肺開始後より徐々に増加し、溶血による尿の色調変化が現れるより以前の段階で高値となっている事は研究計画書においても記載している。 当該年度の研究成果は以下である。 先行研究群において、患者を術後急性腎障害を生じた群と生じなかった群に区別し、両群の術中の遊離ヘモグロビン値の推移、ハプトグロビン値の推移を比較検討した。その結果において、術後急性腎機能障害を生じた群において、遊離ヘモグロビン値は高く推移し、ハプトグロビン値は低く推移することが判明した。また結果より、術後急性腎障害のリスクを上昇させる術中の遊離ヘモグロビン値のカットオフ値についても検討した。上記に関して国内での学会発表と海外での学会発表を行い、研究内容につき論文化を行い、先行研究の成果の発信を行った。 現在は、本研究の実施に向けて、臨床研究法に則った無作為化比較試験の立案を行い、倫理申請を当院の臨床研究推進センターへ提出する準備を整えている。先行研究をふまえてカットオフ値を新たに設定するべきか、研究計画書に記載した値を基準とすべきかに関しては、現在検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在はまだ、本研究の実施に向けて、臨床研究法に則った無作為化比較試験の立案を行い、倫理申請を当院の臨床研究推進センターへ提出する準備を整えている段階である。研究期間は約3年間で設定しているため、約1年ほど予定が遅れている。先行研究の結果の解釈、成果の発信をこの1年で施行していたため、本研究に向けての必要な準備期間であったと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
当研究施設はすぐに研究開始が可能な設備がすでに整っているため、当院臨床研究推進センターでの倫理申請が承認された後、本研究を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会発表がオンライン開催となり、現地までの旅費の必要性がなくなったこと、また、当該年度に関しては実際に研究は進んでおらず、提出検体も少なかったため、次年度使用額が生じている。次年度は倫理委員会の承諾を得られたら、研究を進めていく予定であるため、検体測定に要する助成金の使用と、集めたデータを集計し、解析を行う必要があるため機器の補充も行う予定としている。
|