研究課題
悪性高熱症の素因の有無を調べるCICRテストが正常ではない患者1人とCICRテストは行っていないが臨床症状や家族のCICRから悪性高熱症の素因を持っている可能性が比較的高いと思われるMH患者・家族6人の患者について、次世代シーケンサーを用いて遺伝子スクリーニングを行った。血液からQIAamp DNA Blood Maxiを使用してDNAを抽出し、次世代シーケンサー(Ion PGM)を使用してRYR1とCACNA1Sについて遺伝子スクリーニングを行い、遺伝子変異を検出した。遺伝子スクリーニングの結果、検出した遺伝子変異について、EMHG(European Malignant Hyperthermia Group)に認められている既知の原因遺伝子と一致しているものは、その症例の悪性高熱症の原因遺伝子と考えられるが、検出したその他の変異については複数のプログラムを使用して病原性の評価を行った。病原性が高く、RYR1もしくはCACNA1Sに存在する新規の原因遺伝子の可能性があるものについてSanger法で実際の遺伝子変異の有無を確認した。その結果、1つのサンプルで存在頻度が低く(MAF<0.1%)複数の病原性を評価するプログラム(CADD、SIFT、MutationTasterなど)でも病原性が高そうであると評価された新規の原因遺伝子の可能性があるRYR1の変異・CACNA1Sの変異を認めた。これらの変異は、機能解析を行い、新規の原因遺伝子か否か順次調査を行う予定である。また、今回原因遺伝子を認めなかったサンプルについては、現在原因遺伝子として認められているRYR1およびCACNA1S以外の遺伝子に原因遺伝子がある可能性が高いと思われ、今後、遺伝子解析の対象範囲をさらに広げて行い調査を進める予定である。
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Hiroshima Journal of Medical Science
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