研究課題/領域番号 |
20K17785
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松下 克之 九州大学, 大学病院, 助教 (60794211)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 周術期腎障害 / 横紋筋誘拐症 / 心腎連間症候群 |
研究実績の概要 |
様々な先行研究で急性腎障害は慢性腎臓病のリスク因子であると報告されており、急性腎障害の慢性腎臓病への移行予防は非常に重要である。 周術期の急性腎障害は、手術侵襲や体位、麻酔などによって発症することが知られており、原因は多岐にわたる。 本研究では周術期の急性腎障害が慢性腎臓病へ移行する機序の解明と予防法を見つけることを目的としており、本研究でこれらが明らかになれば長期予後を考慮した急性腎障害の新たな治療法となる可能性がある。 本研究を開始するにあたり、まず、手術室内で起こる腎障害の原因である急性心腎症候群ならびに横紋筋融解症による急性腎障害のモデル動物を作成することから始める予定であったが、CIVID-19感染のため、度々不急の動物実験が制限されたため、実際の動物実験を開始できなかった。 そのため、COVI-19感染が制御でき、実験が開始できた後のことを考え、文献検索を行うとともに、今後の実験protocolを詳細に作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染により不急の実験が開始できなかったため、動物実験の開始が当初の予定より大幅に遅れている。現在は研究施設を最整備し、動物実験を再開する準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
A)急性心腎症候群後に腎臓の線維化を起こす機序 B)急性心腎症候群・横紋筋融解症後のCKDの発症予防 の二つの研究計画を実行するため、今年度はC57BL/6マウスに組み替えCSRP3(1μg、経後眼窩)を投与し、 6時間後に腎臓を摘出し、線維化に関する転写因子の変化をq-PCR法等により測定し、in vivoでのCSRP3の作用機序を検討する、また、心腎連関症候群モデル、 50%グリセオールによる横紋筋融解症モデルモデルを作製し、メガリンの薬理学的ブロッカーで あるシラスタチンを用いてCKDの予防が可能かどうかを検討する。 MediBeacon Inc.のTransdermal GFR Monitorを用いてモデルマウスのGFRを測定すると共に、代謝ケージを用いて尿を採取し、尿中物質をELISA 法を用いて測定する。実験期間終了後、組織を採取し。組織学的検査、q-PCR法、Western blottingを行い、組織学的検討、生物学的健闘を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度COVID-19感染による不急の実験の制限により動物実験が開始できなかった。試薬等は保存により劣化していくため、継続的に実験が可能になるまで、物品の購入を控えた。 次年度当初予定していた実験を再開する。
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