研究課題/領域番号 |
20K17796
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
齋藤 芳秀 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (80824523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 覚醒判定 / 眼球運動 / 鎮静法 |
研究実績の概要 |
患者ニーズの多様化に伴い、歯科治療時におけるストレスの軽減を目的に、静脈内鎮静法が併用されている。しかし、鎮静薬の投与量により覚醒が遅れることがある。そのため、慎重に覚醒状態を判定する必要がある。眼球運動は中枢神経系の障害を反映するため、平衡機能や精神機能の回復を評価できる。本研究では抜歯処置時に静脈内鎮静法を適応し、術後の覚醒判定において、眼球運動と同時に脳波を測定し両者の関連性を明らかにし、眼球運動の臨床的有用性のエビデンスを獲得する。 ①本研究で検討する覚醒判定法は、術者や患者自身の主観に頼ることなく、コンピュータを使用し眼球運動を測定することで、その変化から覚醒状態を判定する。従前には無かった客観的方法である。②静脈内鎮静法適応後の覚醒状態の判定として、眼球運動測定装置TalkEye Liteを用いた眼球運動の測定と脳波の測定を並行して行なうことで両者の測定結果を比較分析することにより、眼球運動と覚醒状態の関連性をより客観的に評価することができる。③この新規覚醒判定法の臨床的有用性を示すエビデンスを獲得することにより、本法臨床導入に向けて確実なステップアップを図ることができる。 現在の研究の成果としては、当研究が臨床研究の側面も持ち合わせているため、COVID-19の対応もあるが、予備研究などの結果から得られたデーターと、臨床環境下でのデーターが、同様のデーターが得られる可能性が高い。この事は、臨床でも覚醒状態を判定出来る可能性が高い事が考えられる。より信頼性の高い結果にするため、被験者数を増やして研究を続けていたが、まだ十分な被験者数に達していない。そのため、今後も研究を継続し、被験者数を増やし、より良いデーターにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響もあり、患者数が減少しているため、被験者も減少している。 被験者の協力が得にくかったことと、病院のシステムの変更などもあったため、それに合わせて人員の配置や器材の設置法などを試行錯誤していたため、当初の予定被験者の確保が困難であったため、データー採取が遅れる原因となってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響もあり、患者数が減少しているため、被験者も減少している。そのため、データを確実に採取できるように、測定環境の整備や機器の設置方法を最適化し効率を高めている。また、それでも被験者の確保が困難となったときは、被験者の処置内容を結果に影響が出ない範囲で拡大することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では被験者の確保を行ない、研究データー蓄積、途中経過の解析により学会での発表などを予定していたが、COVID-19の影響もあり、被験者の確保が難しく、途中解析のための十分な症例数が確保が出来なかったため、学会での発表が無かったことと、被験者の確保が難しかったため、消耗品の量も少なく済んだため、次年度使用額が生じた。 今後も、被験者数の確保による消耗品への使用と学会での発表や投稿に使用していく予定である。
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