炎症は多彩な疾患の基盤となり、種々の疼痛の原因となる一方で、生体防御機構・免疫反応としての重要な役割も担う。そのため単に炎症を抑制するのではなく炎症調節機構の制御が重要となるが、そのようなメカニズムやターゲットとなる機構は十分に解明されていない。本研究では、マクロファージのオートファジーを欠損したマウスではマクロファージの集積や炎症性メディエータの発現亢進が生じ、疼痛や炎症の増強・遷延が起こることを確認した。このことは組織障害や感染による炎症および炎症性疼痛においてマクロファージのオートファジーが保護的役割を有していることを示しており、新規の治療ターゲットとなる可能性がある。
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