研究課題/領域番号 |
20K17812
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
野田 祐子 広島大学, 病院(医), 助教 (00790065)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 熱/労作不耐 / 労作性熱中症 / リアノジン受容体 / 悪性高熱症 / 遺伝学 / 遺伝子 |
研究実績の概要 |
労作性熱中症(EHS)や運動誘発性横紋筋融解症といった熱/労作不耐と悪性高熱症(MH)は,原因となるトリガーは異なるが臨床症状は酷似しており,その相関は以前より示唆されている.実際,EHS患者からもMHの原因遺伝子であるリアノジン受容体(RYR1)遺伝子変異が見つかっており,RYR1遺伝子変異はEHSの遺伝的要因の1つと考えられている.さらに,RYR1遺伝子変異をもつ患者の一部は,極端な高温環境条件や身体活動がなかったにも関わらずEHSを発症したという報告もあり,RYR1遺伝子変異が熱/労作不耐に起因している可能性は高い.本研究の目的は,EHSや運動誘発性横紋筋融解症患者の発症予防を目指し,熱/労作性不 耐の原因を既知の悪性高熱症 RYR1遺伝子変異,特にどの遺伝子変異と関連させることが可能かを明らかにすることである.具体的には,EHSおよび運動誘発性横紋筋融解症を発症した患者から採取した検体を用いて遺伝子解析を行い,検出されたRYR1遺伝子変異に関して機能解析を行うことで,RYR1遺伝子変異と熱/労作不耐の関連性を探求する. 広島大学遺伝子倫理委員会の承認を得たあと,広島大学病院を受診したEHSおよび運動誘発性横紋筋融解症疑いの患者からの血液採取を開始した.本研究への協力(血液採取)にあたり,本研究の目的,意義,提供をうけた血液の使用に関して明記した説明文書を用いて説明し,書面で本研究への協力を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛で、広島大学病院を受診する熱中症患者が例年に比べ極めて少なかったため、EHSおよび運動誘発性横紋筋融解症患者の血液サンプルを採取することが極めて困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、新型コロナウイルス感染症の感染患者が減少しなければ、広島大学病院を受診するEHSおよび運動誘発性横紋筋融解症患者は今後も極めて少ないと予想される。その場合、新規でEHSあるいは運動誘発性横紋筋融解症を発症した患者の血液採取は困難であると考える。患者血液の採取にあたり、広島大学病院だけではなく、広島県内の病院に協力を求める、あるいは過去にEHSあるいは運動誘発性横紋筋融解症で広島大学病院を受診した患者より血液採取の依頼を行うなどの対策が必要である。過去に発症した患者に血液サンプル採取を依頼する場合、病院への受診や血液採取にあたり静脈穿刺が必要となるため、患者に負担がかかる可能性もあり、実施にあたっては深慮が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、新型コロナウイルス流行のため、熱中症患者が極めて少なく研究が進まなかったため研究費が余ってしまったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、患者からの血液サンプルのシークエンスに使用する予定である。
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