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2022 年度 実施状況報告書

熱/労作不耐とリアノジン受容体変異の関連性の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K17812
研究機関広島大学

研究代表者

野田 祐子  広島大学, 病院(医), 助教 (00790065)

研究期間 (年度) 2021-11-01 – 2024-03-31
キーワード熱/労作不耐 / 労作性熱中症 / リアノジン受容体 / 悪性高熱症 / 遺伝学 / 遺伝子
研究実績の概要

労作性熱中症(EHS)や運動誘発性横紋筋融解症といった熱/労作不耐と悪性高熱症(MH)は,原因となるトリガーは異なるが臨床症状は酷似しており,その相関は以前より示唆されている.実際,EHS患者からもMHの原因遺伝子であるリアノジン受容体(RYR1)遺伝子変異が見つかっており,RYR1遺伝子変異はEHSの遺伝的要因の1つと考えられている.さらに,RYR1遺伝子変異をもつ患者の一部は,極端な高温環境条件や身体活動がなかったにも関わらずEHSを発症したという報告もあり,RYR1遺伝子変異が熱/労作不耐に起因している可能性は高い.本研究の目的は,EHSや運動誘発性横紋筋融解症患者の発症予防を目指し,熱/労作性不耐の原因を既知の悪性高熱症 RYR1遺伝子変異,特にどの遺伝子変異と関連させることが可能かを明らかにすることである.
具体的には,EHSおよび運動誘発性横紋筋融解症を発症した患者から採取した検体を用いて遺伝子解析を行い,検出されたRYR1遺伝子変異に関して機能解析を行うことで,RYR1遺伝子変異と熱/労作不耐の関連性を探求する.
広島大学遺伝子倫理委員会の承認を得たあと,広島大学病院を受診したEHSおよび運動誘発性横紋筋融解症疑いの患者からの血液採取を開始した.本研究への協力(血液採取)にあたり,本研究の目的,意義,提供をうけた血液の使用に関して明記した説明文書を用いて説明し,書面で本研究への協力を得た.
2022年度も引き続き、新型コロナウイルス蔓延の影響で野外活動などが制限されたことにより,熱中症患者の数が少なかったが,本院に来院した熱中症患者のうち、研究対象になる熱中症患者から数件サンプルを採取することができた。
採取した血液サンプルからDNAをとりだし,RYR1遺伝子変異の有無を調査した.4人の研究対象者より,3つのバリアントがみつかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年2021年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症蔓延により,熱中症患者の数自体が少なく,サンプルの採取に困難を要した.関連病院への協力も要請したが,関連病院における熱中症患者も極めて少なく,研究対象となりうる熱中症患者はいなかったこともサンプル採取に困難を要した要因であった.

今後の研究の推進方策

研究対象となりうる熱中症患者の血液サンプルからとりだしたDNAからみつかったRYR1遺伝子変異の機能解析を行い,熱中症発症に関与しているかどうかを調査する.

次年度使用額が生じた理由

昨今の世界に蔓延する新型コロナウイルス感染症による熱中症患者のサンプル採取に困難を要したことと,それに伴い研究の進捗が芳しくなく,次年度に実験の一部を繰り越してしまったためそれに使用するための研究費が必要であるため.
次年度に繰り越す研究費は,今回熱中症患者から新たに見つかったRyR1遺伝子変異の機能解析の実験に使用する試薬などの購入に使用する予定である.

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公開日: 2023-12-25  

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