悪性高熱症は骨格筋細胞内のカルシウム濃度が異常上昇することで生じる全身麻酔の致死的な合併症である。今回、カルシウム拮抗薬であるニフェジピンを投与した際の細胞内カルシウム動態を測定した。悪性高熱症の原因遺伝子であるCACNA1SとRYR1変異でその反応を比較する予定であったが、CACNA1S変異のある細胞が一種類しか測定できなかったため、悪性高熱症の素因の有無で結果を比較した。 ニフェジピンの50%効果濃度は悪性高熱症素因あり(n=10)で0.79±0.20μM、素因なし(n=5)で1.32±0.15μMであり(p=0.0013)、悪性高熱症素因骨格筋でより細胞内カルシウム濃度が上昇した。
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