研究課題/領域番号 |
20K17814
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
木下 倫子 徳島大学, 病院, 助教 (90532218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 吸入麻酔薬 / 近赤外線 / 心筋保護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、吸入麻酔薬と近赤外線照射の併用が、高齢マウスの心筋虚血再灌流モデルにおいて、それぞれ単独の保護効果よりも強い保護効果を発揮するか 探索することである。再灌流時に様々な波長・照度の近赤外線を照射し、心筋細胞に対して最も保護効果を有した近赤外線の条件を探索する。13月齢の高齢マウスから取り出した初代培養の心筋細胞を用いて、過酸化水素を用いた酸化ストレス実験が可能かどうか検討した。過酸化水素を用いた実験では、老齢マウスから取り出したばかりの初代培養の心筋細胞に対し、ストレスが大きくコントロール群と介入群の双方にて実験遂行が不可能であった。そこで、過酸化水素の濃度を変更したが、同様の結果となった。そこで、心筋細胞ではなく、血管内皮細胞を用いて実験を遂行することとした。高齢マウスから取り出した血管内皮細胞に対して、過酸化水素を用いて酸化ストレスを与え、細胞の生存率を観察した。吸入麻酔薬を加えた群ではコントロール(なにも介入をしない群)と比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。また、近赤外線を照射した群では、コントロール(なにも介入をしない群)と比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高齢マウスの心筋細胞は非常に繊細で、さまざまな条件を試してみたが、実験遂行が難しかった。そこで、心筋細胞ではなく血管内皮細胞としたところ、遂行が可能となった。このような理由で、やや実験の計画が遅れたが、血管内皮細胞とすることで実験が可能となり、遅れていた計画をやや取り戻しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
高齢マウスから取り出した血管内皮細胞に対して、過酸化水素を用いて酸化ストレスを与え、細胞の生存率を観察したところ、吸入麻酔薬を加えた群ではコントロール(なにも介入をしない群)と比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。また、近赤外線を照射した群では、コントロール(なにも介入をしない群)と比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。今後は、吸入麻酔薬と近赤外線を組み合わせて、上乗せ効果があるかどうかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用した試薬類の値段が当初の想定よりも少額で賄えた。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国際学会は現地開催ではなくweb開催となったため、渡航費が発生しなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は、現地開催される国際学会に参加するために使用する予定である。
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