研究課題/領域番号 |
20K17815
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
五代 幸平 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20767488)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / ミクログリア / カルシウムチャネルα2δリガンド |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、神経障害性疼痛の慢性期において急性期に認められる脊髄後角のミクログリア集積とカルシウムチャネルα2δサブユニットの発現増加がどのように変化し、その変化が神経障害性疼痛治療薬の鎮痛効果にもたらす影響を解明することである。 ヘム分解酵素Heme-Oxygenase-1を中枢神経で阻害することで、神経障害性疼痛急性期におけるプレガバリンおよびガバペンチンの鎮痛効果が減弱すること。またプレガバリンおよびガバペンチンが脊髄後角でHeme-Oxygenase-1を介してミクログリアやアストロサイトといったグリア細胞の活性化を抑制していることが判明した(Neurosci Lett 2022; 767: 136310)。プレガバリンやガバペンチンは脊髄後角において内因性オピオイドであるエンケファリンを増加させた。 令和4年度は、神経障害性疼痛慢性期におけるミクログリアマーカーであるIba-1やCD11b、炎症型ミクログリアマーカーであるiNOSやCD68、抗炎症型ミクログリアマーカーであるArginaseやCD206、α2δサブユニットの発現変化について免疫組織化学染色を用いて測定した。しかし、安定した結果が得られておらず、より詳細に発現変化を調べているところである。またプレガバリンは急性期において、ミクログリアよりもアストロサイトの活性化を抑制したため、アストロサイトマーカーであるGFAPの発現変化も免疫組織化学染色を用いて測定しているが、こちらも安定した結果が得られておらず、より詳細に発現変化を調べているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ヘム分解酵素Heme-Oxygenase-1を中枢神経で阻害することで、神経障害性疼痛急性期におけるプレガバリンおよびガバペンチンの鎮痛効果が減弱すること。またプレガバリンおよびガバペンチンが脊髄後角でHeme-Oxygenase-1を介してミクログリアやアストロサイトといったグリア細胞の活性化を抑制していることが判明した。しかし、免疫組織化学染色において、安定した結果が得られておらず、より詳細な検討を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
神経障害性疼痛慢性期におけるミクログリアマーカーであるIba-1やCD11b、炎症型ミクログリアマーカーであるiNOSやCD68、抗炎症型ミクログリアマーカーであるArginaseやCD206、α2δサブユニット、およびアストロサイトマーカーであるGFAPの発現変化も免疫組織化学染色を用いて測定しているところである。しかし、安定した結果が得られておらず、より詳細に発現変化を調べているところである。今後はRT-PCRも変容して、発現変化の確認を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験結果が安定せず、実験の追加が必要となった。追加実験必要な明暗往来、CPP実験装置代金へ充当するため。
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