研究実績の概要 |
報告者らの研究グループは、免疫抑制病態の一つの原因として、敗血症病態の高血糖時において、自然免疫系の重要な役割を担う単球系細胞が貪食能低下や細胞死を起こし、その細胞内情報伝達系としての小胞体ストレスの関与、またmiRNA による制御に関して報告してきた。様々な病態制御に関与しているmiRNAが及ぼす敗血症病態における骨髄由来(免疫)抑制細胞 (MDSCs: myeloid-derived suppressor cells) の分化、機能への影響に注目して、動物実験及び臨床研究の両面から検討し、敗血症における骨髄由来抑制細胞(MDSCs)の役割と、今後の遺伝子治療の可能性を検討することを目的とした。近年、当初注目されていた癌病態以外に、敗血症病態における骨髄由来抑制細胞(MDSCs)の免疫抑制作用に注目がされているが、次世代シーケンサーを用いて、トランスクリプトーム解析(mRNA, miRNA)を、臨床研究との関連を含めて網羅的に解析した研究は希少のため、独創性が高いと考えた。 マウスではCD11b+Gr1+の細胞で認識され、詳細な検討が進んでいるが、ヒトでHeterogeneousな細胞群とされ、現在のところCD11b+CD14-CD33+の細胞を骨髄由来抑制細胞(MDSCs)とすることが多い。よって、健常人から採血を行い、単核球(mononuclear cells)からポジティブセレクションによりCD11b+CD14-CD33+細胞の免疫磁気分離し、その細胞からTotal RNAの単離を行った。 その研究行程の中で,miRNA, 及びmRNA発現の網羅的解析を、外部委託業者に依頼した。
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