本研究の目的は、アナフィラキシー発症にかかわる肥満細胞の役割を調べ、肥満細胞が活性化するタイプのアナフィラキシー症例において原因薬剤を同定するための手法を開発することである。今回の研究では、培養した肥満細胞を用いて肥満細胞活性化試験をおこない、主に肥満細胞が活性化するタイプのアナフィラキシーの仕組みを調べた。 まず培養した肥満細胞を用いた予備試験で肥満細胞活性化試験に必要な受容体の発現を確認した。次に実際にアナフィラキシー患者の血清を用いて肥満細胞活性化試験を実施することで、健常人とは異なる傾向の反応を示すことを確認した。このことは、今後有効な診断方法の一つとなりうる結果であると考えられた。
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