研究課題/領域番号 |
20K17834
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
米倉 寛 藤田医科大学, 医学部, 助教 (40832530)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 術前検査 / 心エコー / 手術 / 麻酔 / 非心臓手術 / 帝王切開術 / 全身麻酔 / 区域麻酔 |
研究実績の概要 |
術前検査として、適応がないにもかかわらず心エコー検査が過剰に実施されている現状にある。過剰な検査は、日常診療を逼迫する可能性がある。しかしこの問題に対して、過剰な術前検査がどの程度実施されているかは未だ明らかではない。本研究では、「術前心エコー検査の適正利用に関する戦略的研究の推進」という 学術的な目的に対し、段階的に以下の3つの研究を推進し、本邦における術前心エコー検査の実態を把握する。 ・研究A:全国530万人規模の健康保険組合のレセプトデータベースを用いて術前心エコー検査の頻度および施行因子の探索を行う。 ・研究B:全国民95%をカバーするナショナルデータベースである「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」を用いて、ガイドラインが術前心エコー検査の使用に及ぼす効果の推移を、新しい研究手法である分割時系列分析法(Interrupted time series analysis)を用いて検討する。 現在、研究Aに関する研究実施計画書を作成し研究を進めている。関連する研究として、麻酔方法を正確に分類する手法を開発するために、帝王切開手術をうけた集団を対象としたサブコホートを作成して研究を推進している。2022年6月に日本麻酔科学会総会にて「診療報酬請求データを用いた帝王切開術における麻酔管理方法の分析:後向き観察研究」として研究成果を発表する。また論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年12月に研究機関を移動したため、再度の研究計画書の作成、倫理申請が必要となり研究の進捗はやや遅れているが、年内に論文化を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究を進めていく上で、レセプトデータでの麻酔方法の同定が課題となった。 日本の診療報酬明細上では正しく麻酔方法が同定できない可能性があるため、まずは非心臓手術のなかでも代表的な帝王切開手術をうけたサブコホートを作成し、麻酔方法が正確に同定・分類できる手法の開発を目指す。 2022年度を目安に、サブコホートの研究成果を論文で公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で学会参加がWEB参加となった。またコロナ禍の影響で学外からの雇用に制限が生じたため人件費が不要となった。論文化が計画通りに進まなかったため、英文校正費用などに差額が生じた。
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