研究実績の概要 |
本研究は、個々の鎮静薬による小胞体ストレスへの影響を解明することにより、敗血症状態における患者管理において患者の免疫能を損なわない鎮静法と、小胞体ストレスを防ぐことで免疫能を賦活する薬剤を探求することを主眼において研究を施行する。 本年度は、細胞培養実験において、単球系THP-1細胞および293細胞で、プロポフォールやミダゾラムを濃度依存性あるいは時間依存性に投与し、XBP1,ATF4,ATF6,CHOPなどの代表的な小胞体ストレスマーカーの遺伝子およびタンパク発現変化、また、Caspase-3,Caspase-7,LDH release,アポトーシス検出キットなどを用いて細胞死の評価を開始した。その途中で、それらの鎮静薬がαアレスチンファミリーの発現変化を引き起こす可能性に着眼し、それらの発現変化の解析も並行して行うこととした。αアレスチンファミリーのタンパクの一部が小胞体ストレスを引き起こす可能性が示唆されたことから、αアレスチンファミリーの一部の遺伝子がノックアウトされたマウスの組織を研究協力者から提供頂き、小胞体ストレスおよび代謝産物解析を行い、結果を統合中である。
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