研究課題/領域番号 |
20K17849
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
尾本 遥 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70713775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 神経障害性痛 / 慢性痛 / 抗酸化物質 |
研究実績の概要 |
神経障害性痛の発現と維持のメカニズムは近年次第に明らかになってきているが、非常に病態が複雑であり、有効性の高い薬物が少ない。侵害受容ニューロンの損傷によって複数の神経系に多様な可塑化が惹起されるため、一旦病態が完成されると既存の治療に抵抗を示す。そのため、いかに神経障害性痛の病態の進行を抑制するかが重要であると考えられてきた。神経損傷後に産生されるフリーラジカルが神経障害性痛の初期の病態に関与していることが近年明らかになっているが、さらなる病態の悪化にも関与している可能性がある。今回、神経結紮により神経障害性痛を発現させたマウスに各段階で酸化ストレス関連阻害作用を有する薬剤を投与することにより、抗酸化作用により神経障害性痛の発現と維持のどちらの過程も抑制する可能性について検討を行っている。神経障害性痛は、既存の鎮痛薬に抵抗性を示し、一旦完成された神経障害性痛に著効する治療法はない。近年、神経損傷後に産生されるフリーラジカルが神経障害性痛の初期の病態に関与していることが明らかとなったが、痛み自体がさらにフリーラジカルを過剰産生することにより生体内に酸化ストレスを発生させ、さらなる病態の悪化に関与している可能性がある。今回、神経結紮により神経障害性痛を発現させたマウスに酸化ストレス関連阻害作用を有する薬剤を投与することにより、抗酸化作用により神経障害性痛の発現と維持のどちらの過程も抑制する可能性について検討し、明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19 の蔓延により医師としての業務が多忙であり, 研究に割く時間がなかなか確保できなかった。また, 薬剤の調達も困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施する予定であったマウスの神経結紮モデルの作成などを大学院生に協力を仰ぎ, 研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況が芳しくなかったため, 必要物品の購入等ができず , 次年度使用額が生じた。研究が遅れているため, 次年度に研究を進めマウス購入などにその費用を使用していく予定である。
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