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2020 年度 実施状況報告書

麻酔薬の標的細胞小器官としてのミトコンドリアと細胞内エネルギー代謝連関の探究

研究課題

研究課題/領域番号 20K17850
研究機関関西医科大学

研究代表者

岡本 明久  関西医科大学, 医学部, 研究員 (50509479)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード局所麻酔薬 / 活性酸素種 / ミトコンドリア / 低酸素誘導性因子1 / HIF-1 / 細胞内代謝
研究実績の概要

リドカインなどの局所麻酔薬の臨床的に適切な濃度(500 μM~24 mM)は、神経細胞由来の細胞や癌組織由来の確立された細胞株の細胞死を誘導することが報告されている。本研究では様々なミトコンドリアDNA変異を持つtransmitochondrial cybrids細胞を用い、またミトコンドリア蛋白質の発現を遺伝子操作で制御するなどの手法を駆使して局所麻酔薬の標的蛋白質を同定することが主たる目的であった。この目的の達成のために局所麻酔薬が酸素代謝・エネルギー代謝へ及ぼす影響の検討、酸素代謝・エネルギー代謝への影響の検討を試みた。
細胞外フラックスアナライザーを用いた実験系を用いてミトコンドリアDNA変異を持つtransmitochondrial cybrids細胞を用いてミトコンドリア電子伝達系の各複合体活性に依存する酸素消費量への局所麻酔薬の影響をさらに詳しく検討した。プロポフォールは細胞内の酸素消費を抑制し、細胞外の乳酸を増加させることが、また複合体I, II, IIIに依存した酸素消費を抑制するが複合体IV依存の酸素消費には影響を与えない事を確認した。局所麻酔薬が酸素消費を抑制し、細胞外の乳酸を増加させることは確認したが、ミトコンドリア電子伝達系の各複合体活性に与える影響についての検討には至っていない。一方、局所麻酔薬がカスパーゼ3/7の活性化をもたらすことを96 well plateを用いて蛍光読み取り装置で確認する実験系を確立した。これらによりミトコンドリア電子伝達系は局所麻酔薬の標的となる事を示す実験的なエビデンスは得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

生細胞内のATP濃度をリアルタイムに可視化できる蛍光プローブ ATeamを用いた検討については実験系を作動させる事ができずに未達成であり、局所麻酔薬の標的となる蛋白質の同定には至らなかったため。

今後の研究の推進方策

生細胞内のATP濃度をリアルタイムに可視化できる蛍光プローブ ATeamを用いた検討について力点を置いて研究計画に沿った研究を継続していく。
局所麻酔薬の標的となる蛋白質の同定を目指す。

次年度使用額が生じた理由

研究の遂行にあたり必要に応じて無駄のない研究費の執行に務めたため、当初の見込み額と執行額に差額が生じたが、研究計画に大きな変更はなく当初の予定通りに研究を遂行し、適切な研究費の使用に務める。

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公開日: 2021-12-27  

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