静脈麻酔薬、局所麻酔薬が細胞の代謝を変容して、細胞死やそれに続発する全身性の代謝障害を引き起こす可能性が指摘されてきた。この問題へのアプローチとして樹立細胞株を用いてミトコンドリアに依存する酸素依存的な代謝経路への影響を解明する計画を策定した。局所麻酔薬リドカインや静脈麻酔薬プロポフォールは臨床使用濃度でミトコンドリア依存的な酸素消費を抑制して嫌気的な代謝を促進することが解った。また酸素消費の抑制は、細胞死を惹起する事が判明した。 ミトコンドリア電子伝達系は細胞障害おいてプロポフォール・リドカインの標的となる事を示す実験的なエビデンスは得られた。
|