最終年度については、追加の研究結果を加えた上でこれまでの結果との統合をはかり、論文作成、学会発表を広くおこなった。研究期間全体を通して、まずコアグロメーター機器の入手、および試薬の入手、使用の仕方の一般化を主に初年度に施行した。翌年以降は該当患者の収集を、結果のまとめ作業をメインでおこなった。コロナによる患者数低迷もあったが、無事に一通りの結果をまとめ発表した。敗血症の患者を対象にコアグロメーターとDICスコアとの対比を第3病日まで連続で測定することで、それらの値との関連性、および臨床病態との関連を同定した。既存のDICスコアの問題点、および同時にコアグロメーターの利点、問題点についてロジカルに抽出した。結果、コアグロメーターを用いることで、DICスコアと臨床病態との約1日のタイムラグを埋められる可能性について発見した。同知見は、実際の診療上の感覚と酷似しており、今後のさらなる大規模研究、あるいは臨床応用につながる可能性がある。また、敗血症患者にとどまらず、他の凝固障害をきたしうる患者に対しても、コアグロメーターが同様に有効(凝固障害の早期同定や、臨床予測など)な可能性についてみ示せた結果となった。本研究を通して、さまざまな展望がひらかれ、本分野において重要な知見をもたらした。今後も同機を用いて、さらなる研究へすすめていき、救急の学術領域を広めて学会等を通じて様々な分野へ普及していく予定となっている。
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