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2023 年度 実施状況報告書

VR(仮想現実感)による術後せん妄予防:ICU入室患者での検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K17858
研究機関三重大学

研究代表者

江角 亮  三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (50813028)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードVirtual Reality / ICUせん妄 / 外傷
研究実績の概要

ICUに入室する患者の32.3%は、入室中に原疾患とその治療の影響でICUせん妄に苦しんでいるといわれる。ひとたび,せん妄が起きるとICU滞在時間も延長して死亡率も上昇する。しかしながらICUせん妄の予防や治療方法は確立していない。
仮想現実(VR:Virtual Reality)技術は、患者へのリラックス効果3)やICUでの痛み、睡眠導入効果に有用とされ臨床応用されはじめているが、ICUせん妄への効果はほとんど明らかではない。本研究では外傷後にICUに入室する患者を対象に、VRをもちいてICUせん妄発症を予防できるか検証する。
結果1:ICU入室患者を対象に、VRを用いることで外傷患者の痛みを軽減することが可能であった。
結果2:また、VR前後の心拍変動解析を行い、VRにより副交感神経を活性化し、リラックス効果を誘導した。以上より、鎮痛作用と副交感神経活性作用によりICUせん妄予防効果が得られると予想された。コロナ禍の影響もありまだ症例数が少ないため、ICUせん妄発生率の改善効果はまだ証明できていないが、今後症例数を増やして検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19患者受け入れに伴う集中治療室の及び救急患者の入室制限により思ったより外傷患者の受け入れ数が少ないため、研究が遅れている。今後コロナ禍解消に伴い外傷患者の受け入れが増えることでプライマリーアウトカムの評価が可能になると考える。
現時点でもICUへのコロナ患者受け入れは継続しており十分な外傷患者の症例確保ができていない。

今後の研究の推進方策

VRの治療効果は鎮痛作用と副交感神経活性化作用の2つがあると予想している。そのため、ICUせん妄発生率をプライマリーアウトカム、セカンダリーアウトカムを鎮痛作用と副交感神経活性化作用にして解析を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

集中治療室ので外傷患者が少なく、使用するVRの備品の必要数が当初の計画よりも少なく済んだため。
今後、外傷患者が増えれば、Virtual Realityのソフトウェアの更新や周辺備品の新規購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Correlation Between the Social Network Structure and Well-Being of Health Care Workers in Intensive Care Units: Prospective Observational Study2023

    • 著者名/発表者名
      Esumi Ryo、Ito-Masui Asami、Kawamoto Eiji、Ito Mami、Hayashi Tomoyo、Shinkai Toru、Hane Atsuya、Okuno Fumito、Park Eun Jeong、Kaku Ryuji、Shimaoka Motomu
    • 雑誌名

      Interactive Journal of Medical Research

      巻: 12 ページ: e50148~e50148

    • DOI

      10.2196/50148

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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