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2020 年度 実施状況報告書

新開発シャツ型心電計の生理学的指標変動による原子力災害対応者の精神的負荷要因調査

研究課題

研究課題/領域番号 20K17870
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

井山 慶大  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50778694)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード原子力災害 / 心拍変動 / ストレス / 人材育成 / ウェアラブル / 心電計
研究実績の概要

原子力災害医療・緊急被ばく医療に携わる危機対応者は、「放射線」という見えないハザードによる不安・ストレスなどの精神的負荷を抱えながら業務に従事している。また知識不足などから、彼らの当該分野に対する従事意図は極めて低いことが明らかにされており、人材確保は喫緊の課題である。そこで本研究では、緊急被ばく医療時に従事者の抱えるストレスを客観的に評価し、高負荷のストレスがかかる業務を抽出することで、効率的な緊急被ばく医療教育の手法を導き出し、将来の人材確保に寄与することを目的とする。
従事者のストレス評価を客観的に行うため、我々が主催する原子力災害関連の実習やセミナーを受講した医学部学生および医療従事者64名を対象に、セミナー中の各業務・手技におけるストレスデータを取得した。具体的にはセミナー受講中シャツ型心電計を着用いただき、その間の心拍変動から交感神経/副交感神経バランスを数値化することでストレスデータを算出した。
緊急被ばく医療セミナー実習中の行動を経時的に複数項目に分類し、各行動中のストレス値を算出した。その結果、汚染傷病者の受け入れ時、スメア取得時、乾式除染時、湿式除染時でストレス値が高値になる傾向にあった。また除染が終了し、傷病者の退室時や自身の防護衣脱衣時には極端にストレス値が低下していることが明らかとなった。一方で放射線と関連しない通常の外傷診療実施中のストレス値は比較的低値であった。
除染作業等、被ばく医療に特殊な業務でストレス値が高値であり、これまで予想されていた結果と同様であった。本研究では心拍変動を用いることで、そのストレス値を客観的指標として示すことができている。本結果でストレス値が高値であった項目について、今後より重点的に教育や訓練を行っていくことで、効率的に従事者のストレスを低減していくことが可能と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対面式の実習やセミナーの多くが開催中止となったため、データ取得の機会が失われてしまった。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対面式の実習やセミナーの多くが開催中止となっていたが、徐々に開催が可能になり始めている。そのため今後は対象者を当初の研究計画通り徐々に拡大していくことを検討している。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染の影響で従来のクリーニング業者が事業撤退となり、今後は新たにクリーニング費用を追加で計上する必要が発生したため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新開発シャツ型心電計の災害時危機対応における生体モニタリングへの応用2020

    • 著者名/発表者名
      神田正樹、井山慶大、長谷川有史
    • 学会等名
      第48回日本救急医学会総会・学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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