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2021 年度 実施状況報告書

集中治療室における睡眠覚醒リズム障害の検出・せん妄予防の新手法

研究課題

研究課題/領域番号 20K17875
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

佐藤 暢夫  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80439869)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード集中治療室 / 睡眠 / せん妄 / 集中治療後症候群
研究実績の概要

【背景と目的】集中治療室(ICU) における睡眠の客観的評価法は確立されておらず、睡眠障害とせん妄発症との関係性は十分に検討されていないのが現状である。本研究ではICU入室中に脳波計測型およびマットレス型の睡眠計を24時間同時に計測してこれらの結果を比較するとともに、ICU入室中の睡眠障害がせん妄発症を予測する、という仮説の検証を行った。
【方法】本研究は東京女子医科大学倫理審査委員会での承認を経て実施された。2021年2月1日~3月31日に、東京女子医科大学病院で冠動脈バイパス術もしくは弁手術が実施され、術後ICUに入室した患者を対象とした。人工呼吸器の離脱翌日に脳波計測型の睡眠計(Sleep Scope:SS)を装着、24時間の脳波測定から睡眠ステージを判定し、同時点で実施したマットレス型睡眠計(Nemuri SCAN:NS)による睡眠・覚醒の判定との比較検討を行った。ICU入室中に1日2回実施されるIntensive Care Delirium Screening Checklistで4点以上となった場合にせん妄発症とした。
【結果】上記期間において同意が得られた20例のうち、SSデータが得られた18例を解析対象とした。うち2例ではNSデータが欠損していた。16例のデータを合算すると、SSでの入眠判定を真とした場合のNSによる入眠の感度は93.7%と非常に高かった一方、特異度は39.9%と非常に低く、NSではType I errorが高いことが示唆された。せん妄は18例中3例(16.7%)に認めたが、うち1例は1日合計約17.5時間入眠していた症例で、残り2例は1日の合計睡眠時間が3時間未満の症例であった(いずれもSSデータ)。
【結論】ICUにおいてはマットレス型の睡眠計は睡眠時間を過剰に見積もってしまう可能性が示唆された。脳波計測型睡眠計の結果から、著しい長時間睡眠、著しい断眠の双方がICUにおけるせん妄と関連する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和2年度に行った集中治療室入室中の睡眠に関する研究はせん妄発生患者が20名中3名と当初の予想よりも大幅に少なく、いったん研究終了し、集中治療後症候群に研究対象を変更して研究計画を立案したため、全体の研究行程としては1年遅れとなっている。

今後の研究の推進方策

次年度は今年度のエントリーを継続し、200名のエントリーを目標にデータ収集解析、学会発表、論文化を行う方針である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は研究の計画変更のため、研究開始が遅れたこと、コロナ禍の影響で参加予定の学会がすべてweb学会となったため、旅費が不要となったことから余剰金が発生した。次年度は、余剰金を研究費用、学会が現地開催となった際の参加旅費、および論文化の費用に充てていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 集中治療室での脳波計測型睡眠計による睡眠障害の判定とせん妄発症に関する調査2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤暢夫、松井健太郎、荒木田真子、出井真史、清野雄介、石川淳哉、中川雅史、赤穂理絵、西村勝治、野村岳志
    • 学会等名
      第49回日本集中治療医学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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