研究課題/領域番号 |
20K17877
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
瀧口 徹 日本医科大学, 医学部, 助教 (20787593)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 出血性ショック / 活性酸素 / 酸化ストレス / キサンチンオキシダーゼ阻害薬 / 抗酸化作用 / 抗炎症作用 |
研究実績の概要 |
外傷診療の進歩にかかわらず、出血性ショックに引き続いておこる多臓器不全は、いまだに重傷外傷における主要な死因である。キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬は強力な抗酸化作用をもち、これを改善する可能性がある。XOは活性酸素の産生にかかわり、主要臓器や血管に広く分布することが知られている。我々はこれまで、XO阻害薬の抗酸化作用は脳虚血再灌流障害モデルにおいて臓器障害を軽減することを世界に先がけて見いだした。また、ラット出血性ショックモデルにおいて虚血腸管で産生される腸間膜リンパ液が肺障害に重要な役割を担うことを解明し、遠隔臓器障害における機序を見いだした。これらから、全身の虚血再灌流障害である出血性ショックにおいてXO阻害薬は有効であると考えられる。以上を踏まえ本研究では、ラット出血性ショックモデルにおいてXO阻害薬が全身の臓器障害を軽減するか否かを検討している。本年は酸化ストレス(MDA)と炎症性メディエータ(IL-6、TNF-α)、病理検査による評価を行った。キサンチンオキシダーゼ阻害薬投与群の肺において、酸化ストレスマーカー・炎症性メディエータが低下し、病理検査で肺障害が軽減していることが明らかとなった。現在原著論文執筆に向けデータ解析を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、研究時間を十分に確保できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
現在原著論文の執筆に向けてデータ解析中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の物品が進捗の関係により今年度の使用ではなくなったため。次年度使用予定である。
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