研究課題/領域番号 |
20K17887
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岡本 遥 (池庄司) 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (50585239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 血管内皮グリコカリックス / 横紋筋融解症 / アンチトロンビン |
研究実績の概要 |
横紋筋融解症は、骨格筋の組織破壊や壊死により筋由来成分が血中へ流出し急性腎障害を引き起こすが、急性腎障害に対しての治療は輸液、血液浄化などの対症療法しかないのが現状である。我々はアンチトロンビンにDNA修復作用があることを先行論文にて確認している。 横紋筋融解症に伴う急性腎障害に対するアンチトロンビン治療の検討を行う。 10週齢の雄のB6マウスを用いて24時間絶水を行った後50%グリセオールを5mL/kgのDoseでマウスの左大腿に筋肉内注射を行い、横紋筋融解症モデルマウスを作成した。横紋筋融解症モデル作成24、72時間後にアンチトロンビンを750IU/kgのDoseで腹腔内注射を行い、96時間後に屠殺し組織学的に検討を行った。対照群には生理食塩水を投与した。 対象群では尿細管上皮細胞の核の消失と尿細管腔表面の構造破壊が認められたが、アンチトロンビン治療によりどちらの異常も改善していた。細胞分裂のマーカーであるKi67で免疫染色を行ったところ、AT群において尿細管上皮細胞でki67陽性の核が明らかに増加しておりATにより尿細管上皮細胞の再生が促されている可能性が示唆された。 アンチトロンビン投与により横紋筋融解症に伴う急性腎障害が抑制されており、新しい治療法になる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
横紋筋融解症モデルを確立し、アンチトロンビンによる治療効果の検討とそのメカニズムを一部解明できている。
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今後の研究の推進方策 |
血管内皮グリコカリックスとのコネクションを調査していく
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