本研究では、組織動態を調べることで、膵炎における好中球の役割を明らかにすることを目的とした。12週齢の雄性G-CSFノックアウトマウスと野生型同腹対照マウスに、セルレインを80μg/kgの用量で毎時間腹腔内投与し、6日間連続でセルレイン誘発膵炎のモデルを作成しまし組織学的に検討した。セルレイン投与1週間後の生存率は、コントロールマウス100%に対しG-CSF-KOマウスでは10%と有意に低かった。組織学的検査ではG-CSF-KOマウスで著しい出血と炎症細胞の移動が認められ、炎症の長期化が示唆された。炎症の急性期における好中球による組織浄化は慢性期を通じた治癒に影響を与える可能性がある。
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