研究課題/領域番号 |
20K17892
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
蛯原 健 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10813975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | オートファジー / 脂肪 / Atg5 / CITED2 / TRIM24 / GDF15 / サイトカイン |
研究実績の概要 |
本研究では以下の3つに着目し実験をおこなう。1)敗血症における脂肪細胞でのオートファジー機能の評価のため、脂肪細胞特異的Atg5KOマウスにLPSを投与し、エネルギー基質の供給や熱産生などの代謝動態、アディポサイトカインを評価する。2)敗血症における脂肪細胞でオートファジーが機能するメカニズム解明のため、LPS投与後の脂肪特異的Atg5KOマウスの脂肪組織を用いて網羅的蛋白解析を行う。3)敗血症における脂肪細胞でのオートファジー阻害メカニズム解明のため、LPSや炎症性サイトカインで脂肪細胞を刺激し、容量依存的にオートファジーが阻害されるかin vitro実験を行う。本年度では2)に関してWTマウスならびに脂肪細胞特異的Atg5KOマウスのLPS投与前、投与3時間後の脂肪組織を採取しRNAの網羅的解析を行った。その結果、脂肪組織ではLPS投与により、遺伝子の発現解析ではpositive regulation of cytokine productionやpositive regulation of immmune responseなどの免疫反応に関与しているRNAの発現が上昇しており、脂肪組織が免疫担当組織として働いていることが明らかになった。一方脂肪細胞特異的Atg5KOマウスではWTと比較してpositive regulation of immmune responseに関与している遺伝子の発現は低下していることがわかり、脂肪細胞のオートファジーは脂肪組織での免疫反応の活性化に関与していることが示唆された。またこれらの遺伝子の変化を説明しうる、原因遺伝子を解析したところCITED2、TRIM24の発現変化が予想された。 またCOVID-19におけるサイトカインを評価し脂肪組織からも産生がみられるGDF-15がCOVID-19の臨床経過に関与していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RNAseqの解析に想定より時間がかかったため。またCOVID-19のパンデミックにより診療時間が増加し、基礎研究の進行に影響があったため。
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今後の研究の推進方策 |
脂肪細胞でのオートファジーが炎症反応の活性化を引き起こすメカニズムを明らかにするため下記の研究を検討している。 脂肪組織におけるRNAの網羅的解析の結果Atg5KOマウスではLPS投与後WTと比較してCITED2、TRIM24の発現が上昇していることが予想された。これがRNAの発現が上昇しているのかタンパク量自体が増加しているのかを明らかにする。WTマウスならびに脂肪細胞特異的Atg5KOマウスの脂肪組織を用いてqPCRならびにWester blot法によりCITED2、TRIM24を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックの影響により想定した実験を遂行することができなかったため。2021年度に実施予定であった、CITED2、TRIM24が脂肪細胞のオートファジーによりどのように制御されているかを明らかにするための基礎実験に必要な物品購入費用。今回の研究成果をまとめた論文の英文校正費用ならびにオープンアクセス費用として使用を予定している。
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