研究課題/領域番号 |
20K17892
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
蛯原 健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (10813975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 敗血症 / オートファジー / 脂肪細胞 / サイトカイン |
研究成果の概要 |
敗血症において重篤な症例では代謝障害がみられる。オートファジーは高度に保存された異化機構であることから、重篤な敗血症ではオートファジーの機能不全が生じていると考えられた。今回、エネルギー基質の貯蔵庫として重要な脂肪細胞のオートファジーを評価することで敗血症におけるオートファジーの役割を評価した。LPSを投与したマウスにおいてオートファジーを阻害しても、代謝動態に変化は見られなかった。一方、脂肪細胞特異的にオートファジーをKOしたマウスではLPS耐性と血中でいくつかの炎症性サイトカイン、ケモカインが低値であった。脂肪細胞のオートファジーは炎症の惹起や増幅の一役を担っている可能性が考えられた。
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自由記述の分野 |
救急医療
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の医療水準の向上にも関わらず、全世界で年間2500万人以上が敗血症に罹患し、そのうち4人に1人が死亡す る。敗血症の治療は抗生剤投与に加えて輸液や強心薬投与などの対処療法が主体であるが、それだけでは救命す ることが困難な症例が存在する。これらの病態として過剰な炎症による関与が疑われている。更なる敗血症病態の解明や治療法の創出が急務である。今回、いままでに評価されてこなかった脂肪細胞のオートファジーが炎症の惹起や増幅に関与している可能性を明らかにすることができた。オートファジーを薬剤を持ちいて阻害することは可能であり、今後炎症制御の新たな治療法の創出につながる可能性がある。
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