本研究の目的は、水素の抗炎症作用に着目したLPSラットを用いたVV-ECMO中の水素を用いた新規抗凝固療法の開発であった。今回の研究では、水素がECMO中の抗凝固作用を強化できるかを検討した。水素は、炎症性サイトカインであるIL-6、IL-1βのmRNA発現を低下させたが、HO-1は水素群でも有意差を認めなかった。さらに、抗凝固作用に関するPAI-1のmRNA発現は、水素群でPAI-1発現は低下するも有意差は認めなかった。E-セレクチンやCCL2といったケモカインでも、有意差を認めなかった。本研究からは、水素は抗凝固作用を有する可能性はあるも有意差は明確にならなかった。
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