本研究により,1.PDPN の発現量が高い IDH 野生型悪性神経膠腫の術後で可溶型 CLEC-2 値,C2PAC 指数 が上昇していることが判明しました。2.静脈血栓塞栓症を合併した際,可溶型CLEC-2 値,C2PAC 指数が上昇しており,IDH 野生型悪性神経膠腫症例の静脈血栓塞栓症発症に血 小板活性が強く関わっていることが判明しました。これまで,静脈血栓塞栓症合併には凝固系が強 く関わっていると考えられてきましたが,本研究では,凝固系の亢進の前段階に血小板の活性化も 強く関与していることが示唆され,IDH 野生型悪性神経膠腫症例に合併する静脈血栓塞栓症の病態解明に繋がりました。
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