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2021 年度 研究成果報告書

覚醒下手術による視野の回復メカニズムの解明

研究課題

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研究課題/領域番号 20K17923
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56010:脳神経外科学関連
研究機関金沢大学

研究代表者

一ノ瀬 惇也  金沢大学, 附属病院, 医員 (60816081)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード視野 / 脳機能 / 覚醒下手術 / 可塑性
研究成果の概要

視野評価タスクの有用性と安全性を確認した。覚醒下手術中の直接電気刺激マッピングにより誘発症状が生じた領域と視路の関係についてボクセル形態脳画像解析及び病変・症状統計画像解析を行った。結果、全症状誘発部位は想定された視放線と重なり、分布から誘発視野異常の上下方を解剖学的に区別可能であった。頭頂側頭葉病変の全症例を含む約9割で術後視野が保たれた。頭頂側頭葉病変の2/3で術後視野異常が継時的改善したのに対し、後頭葉病変は約7割で同名半盲を呈し、改善しなかった。
以上結果から、特に術後視野障害の懸念される頭頂側頭葉腫瘍では、覚醒下手術により視野温存が期待できる。これら新規知見に関し現在論文投稿中である。

自由記述の分野

脳神経外科学関連

研究成果の学術的意義や社会的意義

視野は生命予後に直接影響しないが、QOLの観点から非常に重要であり、眼科学的な観点だけでなく、交通安全等社会的な背景を含めた研究がこれまで数多くなされてきた。一方で視覚情報の伝達経路のうち外側膝状体から一次視覚野に至る経路は脳実質であり、視野異常の発生原因となった部位の具体的な特定は困難とされる。今回の結果から、覚醒下手術により視路を正確に評価することが可能であることが示された。また、後頭葉病変と比べ、頭頂側頭葉病変では視野温存できる可能性が高く、術後視野異常が出現した場合も経過で改善しうることが示された。これらの結果は今後の視野温存を目的とした覚醒下手術の適応を考慮する際に大きな意義を持つ。

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公開日: 2023-01-30  

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