近年目覚ましい発展を遂げている虚血性脳卒中(脳梗塞)と比較し、出血性脳卒中(脳内出血およびクモ膜下出血)の治療の進歩は停滞している感がある。本研究では、出血性脳卒中に着目し、機能予後の改善につながる治療ターゲットの模索を行った。中でもより重篤なくも膜下出血についてマウスモデルを用いた検討を行い、くも膜下出血後急性期に生じる脳血流の低下が、神経学的予後及び亜急性期の高次脳機能障害に寄与することを発見し、報告した。また、透析などに使用されるナファモスタットがくも膜下出血後の神経予後を改善する事を発見し、報告した。
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