モデル動物の脳動脈瘤壁の網羅的遺伝子発現解析を行い、破裂における好中球の関与が示唆された。モデル動物に対するG-CSF投与にて病変部に浸潤する好中球を増加させると、脳動脈瘤自然破裂も有意に増加した。破裂瘤標本において、好中球浸潤は壁のvasa vasorum近傍に多く、Hypoxyprobeを用いたin vivoでの組織低酸素の検出では脳動脈瘤外膜における低酸素状態の存在を確認した。免疫染色にて同部位におけるFGF2、VEGFの発現を認めた。動脈瘤外膜の低酸素刺激がFGF2、VEGFを誘導し、血管外膜におけるvasa vasorum増生、浸潤した好中球が破裂を惹起するという病態が推定された。
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