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2020 年度 実施状況報告書

頸動脈プラーク内出血におけるIL-27の機能解明と新規治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K17935
研究機関佐賀大学

研究代表者

緒方 敦之  佐賀大学, 医学部, 病院講師 (10404138)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード頸動脈狭窄 / 新生血管 / 出血
研究実績の概要

高齢化に伴い頸動脈狭窄症患者は増加している。特に、プラーク内の新生血管が破綻し出血を伴う症例は、不安定で脳梗塞の発症が多い。我々は新生血管の内皮細胞を覆うペリサイトの減少がプラーク内出血に関与する可能性について報告した。また、新生血管周囲にはマクロファージが高発現しており、新生血管ペリサイトの減少およびプラーク内出血にはマクロファージが関わっていることも推測された。そこでマクロファージ活性の調節能や炎症抑制作用を有するサイトカインであるIL-27に着目した。IL-27は動脈硬化巣への脂質取り込みを軽減することが報告されているが、プラーク内新生血管および出血へ与える影響は明らかになっていない。血管新生の過程において、まずVEGFによって血管内皮細胞の遊走、増殖を生じ管腔形成が起こる。次いで血管内皮細胞から、PDGF-Bが分泌され、ペリサイトが血管周囲に遊走し、新生血管は成熟化する。培養細胞による検討にて、VEGFはペリサイトの機能を抑制することが明らかとなっている。また、動脈硬化巣においてマクロファージはVEGFを産生することが知られている。つまり、頸動脈プラーク内でもマクロファージがVEGFを分泌しペリサイトの機能を抑制している可能性が考えられる。IL-27は炎症抑制作用を有しており、マクロファージによるVEGF産生を抑制する。IL-27はマクロファージによるVEGF産生を抑制することでペリサイト機能の低下を防ぎ、頸動脈プラーク内出血を抑制する可能性があると考えられる。そこで、頸動脈狭窄症においてIL-27がペリサイトおよびプラーク内出血に与える影響について検討することにした。現在、IL-27ノックアウトマウスを用いた検討、臨床例における検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

IL-27ノックアウトマウスの生存率が低いため。

今後の研究の推進方策

引き続き研究計画に則って研究を推進させる。

次年度使用額が生じた理由

次年度も引き続き試薬の購入を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Influence of Microcatheter Position on First-pass Success of Thrombectomy for Acute Ischemic Stroke.2021

    • 著者名/発表者名
      Ogata A, Ebashi R, Koguchi M, Suzuyama K, Liu X, Tanaka T, Masuoka J, Yakushiji Y, Hara H, Abe T
    • 雑誌名

      World Neurosurg.

      巻: 146 ページ: e708-e713

    • DOI

      10.1016/j.wneu.2020.10.173.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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